1. 記録映画作りと情報収集(B. 記録映画の舞台裏)

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1. 記録映画作りと情報収集(B. 記録映画の舞台裏)

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はじめに
ここでは記録映画『札差 御蔵前泉屋』製作の舞台裏をお見せしようと思います。
 
札差の菩提寺リストと丹羽家墓所の発見、「蜻蛉の道艸」「雑々集」との出会い、「近江松尾」の現在地の解明‥‥札差をテーマとしその具体像を探る過程は、そうした成果(LinkIcon取材の成果とその過程)を生み出すための基礎的な情報収集を前提としていました。
 
データ入力
左の図は、筆者のパソコン上に設置した「蔵前」という名のフォルダの中身です。平成4年9月5日に作成したもので、さまざまなデータを入れておくための容器ということになります。
その中の「蔵前・調査」というフォルダの中が下の図です。図中の左上にある「蔵前・札差リスト」が最初に作成したデータファイルでした。

 フォルダ「蔵前・調査」(クリックで拡大します)

 

321名の札差データ
まずこの「蔵前・札差リスト」に、さまざまな文献や資料に記述された札差についての情報を入力していきます。北原 進『江戸の札差』から読み始めて、幸田成友「札差雑考」(『日本経済史研究』所収)、その他もろもろの資料で目に付いた札差の名と情報を記録し、最終的には不可解なものも含め321名の札差データを収録しました。ただし、その頃はまだ菩提寺についての情報はありませんでした。
 
一橋大学
札差史料所蔵の点でメッカとも言える場所があります。取材や撮影で何度か訪れた一橋大学です。収蔵史料の一つ「御蔵御場所見回組合割付」に札差の菩提寺が記されているという記述を先の「札差雑考」の文中に見つけました。そこで大学の許可を得て原本を閲覧し、関連データを入力したのが下の表です(計101名)。

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 ● 補足

  • 報告書『蔵前に札差あり ~江戸の金貸からたどる文化史~』(台東区文化財調査報告書第24集 平成11年発行)では、「第3章 札差泉屋の発見」の第1節(札差泉屋・円光寺との出会い)を文化財保護調査員(当時)の平野 恵氏が執筆し、このコーナーで取り上げた第2節(記録映画製作の舞台裏)を私(伊藤 博)が担当しました。(このホームページでは表題を「記録映画の舞台裏」に変更しています)
  • ただもう10年以上前の内容なので、すでに現役を退いたソフト(アプリケーション)が登場しています。いずれにしても、私の場合は映像製作のための情報整理という点では以後あまり進歩せず、現在も同じような仕方で行っています。