江戸(御蔵前)の札差を探求していきます!!
- 台東区に蔵前あり、その蔵前に札差あり、
- ゆえに、台東区に札差の具体像が見られないはずはない。
- そんな発想で始まった札差取材にようやく光が射してきました。
- そしてまた難題が持ち上がります‥‥。
- 札差取材の大詰めは次のような過程で進みました。
取材の成果とその過程
一橋大学で札差の菩提寺名を記した史料を発見。(参考
「札差関係文書 (江戸時代古文書)」)
- 台東区根岸の円光寺にて札差泉屋(丹羽家)の墓を発見。
- 住友史料館(京都)等へ問い合わせ、鉱山業を本業とする大坂の住友(泉屋)が江戸の札差業に進出し、その支配人になったのが初代丹羽(泉屋)茂右衛門であることが判明(茂右衛門は後に札差となる)。
- 初代泉屋茂右衛門の弟 丹羽桃丸の墓碑(円光寺)に刻まれた「桃丸姓丹羽近江松尾人」と「好国学所著蜻蛉道草五十巻上木既刊」という言葉に注目する。
- 『国書総目録』(岩波書店)によって、「蜻蛉道草」が多田南嶺著で丹羽桃丸編集の「蜻蛉の道艸」(あきつのみちくさ)であること、桃丸の著書「雑々集」が東北大学の所蔵になるという事実を得る。
- 国立公文書館にて「蜻蛉の道艸」を閲覧。
- 東北大学附属図書館狩野文庫にて「雑々集」を閲覧し丹羽桃丸の著書であることを確認。
- 墓碑の「近江松尾人」に注目し、桃丸の出身地(丹羽家の所在地)と目される近江の「松尾」について調査。
- 近江松尾が滋賀県甲賀郡土山町松尾(旧松(野)尾村)であることが判明。
- 土山町にて、丹羽家の菩提寺が同町前野の地安寺であることを突き止め、そこで桃丸の墓石を発見。
- 土山町にて「蜻蛉の道艸」に描かれた挿絵「松の尾川」の現在地が判明。
● 問い合わせ先
記録映画「札差 ~御蔵前泉屋~」及び報告書「蔵前に札差あり ~江戸の金貸からたどる文化史~」については、台東区教育委員会 文化事業スポーツ課(TEL 03-5246-5852 直通)、
または製作会社スタックス(伊藤 stacks.v(アットマーク)mac.com)までお問い合わせください。
● ビデオ上映
ビデオは江戸東京博物館の(地下1階)でも視聴が可能です。ただし事前にご確認ください。
※ 同ページにある「作品リスト」で「上映プログラムリスト」のページへ移動。さらにその中の「歴史」を選択すると、作品番号217に本作品名が見つかると思います。(09.01.11調べ)