馬下げ川下げ…戸出から馬で舟で140年ぶりの米輸送(高岡市吉久)

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馬下げ川下げ 〜戸出から吉久への米輸送〜

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イベント「馬下げ川下げ」の撮影こぼれ話

平成20年(2008)9月27日(土)実施


用意された米俵の画像用意された米俵吉久はかつて、高岡(市街)や近在の町々と、千保川、小矢部川、庄川の水運で深いつながりをもち、一つの経済圏、一つの文化圏を築きながら繁栄してきました。
その結果として、伝統的町並み、獅子舞などの芸能や風俗が今日まで吉久に残されてきたと言えます。

「吉久の伝統的町並みを考える会」は、開町400年を来年(平成21年)に控え、市内の諸団体と協力して水運でつながりのあった町々と交流をはかることで、再び高岡市民としての一体感を醸し出そうと、戸出から吉久までの馬下げ川下げのイベントを企画実施しました。
そして今回、およそ140年ぶりとなる「馬下げ川下げ」が映像(ビデオ)と写真(デジカメ)で記録されました。(以上、大菅正博氏のお話を要約)

A 戸出御蔵跡からの出発

戸出御蔵跡での出発前の状況


(画像左上から)
馬に載せる俵の準備風景、子どもたちは出発前ポニーに乗せてもらいました。
左下の俯瞰の画像は、かつての戸出御蔵の一部です(旧戸出ハニー跡)。今回の「馬下げ川下げ」の出発会場です。利長君も活躍!
LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

なお、戸出町については下記URLもご参照下さい。
LinkIcon「戸出町ブログ」http://toide.exblog.jp/
LinkIcon「ようこそ戸出町へ」http://www.senmaike.net/toide/

(画像左上から)
企画者である大菅正博氏(吉久の伝統的町並みを考える会 代表)、来賓の橘慶一郎高岡市長、司会を務めた清都勢憲氏、戸出を代表して挨拶された大井弘氏(戸出商工会会長)、戸出御蔵についてやさしく解説をされた牧ひさ子氏。
そして参加してくれた子どもたちです。(ボーイスカウト高岡第8団の皆さんや一般参加の子どもたち)

戸出御蔵跡でのセレモニー風景

B 戸出市街地での移動風景

戸出2丁目の街中移動風景


(画像左上から)
高岡市戸出2丁目13から出発した一行は、同町の市街地を北上していきます。(撮影した場所は、LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

「戸出米」の札を米俵に差した馬を先頭に、ウォーキングに参加した人たちが後に続きます。出発前は少しぱらついていた雨もやんだようです。

C 田園での移動風景

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ビデオ撮影班は先回りして一行の到着を待ち受けます。
それは収穫が終わった田園地帯! 実は、同じ場所での刈り入れ風景も事前に撮影済みでした(08.09.16)。
(撮影場所は、LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

収穫風景を撮影した理由は、かつては収穫された米がその地域を管轄する御蔵にひとまず貯蔵され、春の出水期に馬下げ川下げで吉久御蔵に集積し、伏木から大坂などへの廻米を行い、換金して加賀藩の財政を支えてきた、そのようなストーリーの展開に必要な映像と判断したからです。
……同様の理由から、八乙女山からの砺波平野大ロング撮影も実施しました。

本格的な紅葉はもうすぐ!?

9月27日の馬下げ川下げの撮影にあたり数回のロケハン(下見)を行っています。
馬下げの全行程を見て回り、「ここはぜひ」と思われた場所があります。今も一部にあぜ道が残るところです。(すぐ傍らに高圧送電線の鉄塔もありますが……)
(撮影場所は、LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

米俵を積んだ馬を先頭に行列が向かってくる。コスモスの脇を通り抜けていく、さらにその目指す先は二上山!という絶好のシチュエーションを与えてくれる場所でした。(撮影車の上から、少し高さをもって撮影しました。こうすると行列の遠近感、全体の奥行き感、そして旅程の距離感まで表現できます。)
ロケハンもまた発見の楽しみに満ちていることを久々に感じた瞬間です。


あぜ道のあるルートで撮影した行列の画像

D おとぎの森公園に到着

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「馬下げ川下げ 再現ウォーキング」のAコースのゴールとなったのがLinkIcon「おとぎの森公園」です。

そこに至る直前、すぐ後で千保川に合流する玄手川沿いに移動する一行を撮影しました。

玄手川と千保川を渡る橋の上からの撮影で、道路の反対側からは同公園のシンボルになっているタワーを背にした撮影ができます。
これでAコースのゴールシーンを完結させられるというわけです。映像は省力につぐ省略の世界なのです……!?

(撮影場所は、LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

E 馬から移して川下げです

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 戸出から馬に載せてきた米俵は、千保川の鳳鳴橋(道路「高岡氷見線」が通る)の南にある神幸橋近く(川原の浜跡)で川舟(いくり)に乗せ替えられました。
(撮影場所は、LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

舟は千保川の流れに沿って下ることになります。そこで、船頭の島田一雄さんには事前に、なるべくゆっくり進んでくれるよう依頼しておきました。(島田さんは左上から5枚目の画像の方です)
次の撮影ポジションでセッティングする時間を稼ぎたかったからです。
島田さんのご配慮もあって撮影は成功しました。

その撮影場所ですが、地子木橋から少し南のところです。
その右岸からなら、舟の背景に桜並木を入れることができるのです。桜の季節でないのが少し残念ですが。千保川の下流域にこういった場所は他にないようです。ゆったりしたカーブも撮影には好都合でした。
(撮影場所は、LinkIconYahoo!地図ではこのあたりです 08.09.30現在)

船頭さんが手を振っていらっしゃるところは小矢部川です。二上山を背景にした撮影は大菅正博さんが所望したカットの一つです。もっとたくさんを米俵を積みたいところですが!

F 吉久御蔵へ

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吉久到着は午後2時頃。
早速長舟から3つの米俵が陸揚げされました。

楽々と担いでいるのは亀田正実さん。実は、中身は木屑でホントはあまり重くないようです。その後ろにいらっしゃるのは終日写真撮影を担当した大巻敏治さんです。今日一日で300枚以上の静止画像が記録されました。(後日、本ページでも掲載させていただく予定です)

ゴールになったのは、かつての吉久御蔵の敷地内に位置する西照寺の境内です。
本堂の前に並べられた、無事に運ばれてきた米俵。
吉久連合自治会長 大菅正孝氏(後ろ姿の方)の挨拶で全行程を終了しました。

ビデオ撮影は、その後会長の大菅正博さんにインタビューして終了です。
みなさん!お疲れ様でした。
(ビデオ撮影総時間:およそ1時間15分)

○ 高岡市協働モデル事業として

  • 本イベントの実施及び映像記録は、「吉久の伝統的町並みを考える会」(会長 大菅正博)が申請し採択されたLinkIcon平成20年度の「高岡市協働モデル事業」の一環として行われるものです。その成果はこのホームページをはじめさまざまな形で公表されることになると思います。(事業名「伝統的建造物、民俗を保有する町との交流と保存、継承」)

○ 使用画像について

  • 本ページで使用した画像は、基本的にはビデオ撮影した映像から変換したものを使用しています。(ただしトップの画像や撮影者名、画像ファイル名等が示された画像を除きます)……ちなみにトップ画像のうち、左の「川下げ」の撮影者は橋本貢三子です。

○ イベントのチラシ

  • 0808_081006-006.jpg「『馬下げ・川下げ』再現ウォーキング〜戸出御蔵跡から吉久御蔵跡へ〜」の案内及び申込書(ただし実際の配布チラシとは相違する部分があります)(0808_081006-006.jpg)