3分間のプレゼンビデオ(金屋町弥栄節と"ものづくり")
任務内容
プレゼンでマイクを握るのは金屋町まちづくり協議会の般若陽子さん
平成22年(2010)7月10日(土)ふれあい福祉センターで開催の「平成23年度実施協働事業公開審査会」で、金屋町まちづくり協議会(担当:般若陽子氏)が、事業「金屋町開町400年記念全国ものづくりサミット」のプレゼンテーション(持ち時間10分間)を行うにあたり、同氏より今年の御印祭で撮影済みの弥栄節を使用した3分程度の「弥栄節紹介ビデオ」の製作を依頼された。実質仕上げ(編集)日数2日間の任務だ!
テーマ
● 音楽を意識した撮影と編集
● 意表を突きたい導入部
これが完成映像です。3分24秒になりました。
2010年御印祭での撮影済みの内訳
6月19日(土)の本番(弥栄節踊り町流し)を前にまずはその練習の模様を月曜から撮影しました。以下が全撮影済みの内訳です。
- 6/14(月)緑地公園での練習のうち幼児と児童中心に撮影
- 6/15(火)神妙寺での囃子方練習風景の撮影
- 6/17(木)石畳通りから緑地公園へ向かう祖父と孫/幼児と児童中心に練習状況(緑地公園)/夜の石畳通り/神妙寺外景と囃子方練習(一部)を撮影
- 6/19(土)有磯神社から御神体お迎え/町流しの開始を待つ大勢の人たち(最勝寺境内と飛見駐車場)/前夜祭町流し本番/同本番時の囃子方の撮影(緑地公園にて)
- 6/20(日)前田利長公墓前奉納踊り/前田利長墓所及び周辺の外観撮影
複数の場所や場面で弥栄節が歌い踊られていました。
生演奏かCDか、それが問題!
背後に音楽を伴う撮影は要注意です。音楽が編集全体を支配してしまうからす。
そこで一番の問題だったのは、練習や前夜祭で使用する音源が生(なま)なのかCDなのかでした。もしCDであれば、同じCDを使う限り当然テンポは一定ですから、画と音を別撮り(録り)しても編集で合わせることが可能です。
現在の御印祭では、囃子方の練習は当然生(なま)ですが、実際に撮影した 踊りの練習や本番(町流し)ではCDが使われていました。これで基本方針が固まりました。
(囃子方の練習風景の編集も今後作成の予定です)
なお作品の長さですが、与えられた時間は約3分(以内)でした。しかし弥栄節には1番から7番の歌詞が付き、確認したところ3番までで3分を越し20秒ほどオーバーとなりました。今回はそれで良しとさせてもらいました。(作品の長さ:3分24秒)(>弥栄節の歌詞)
● 音(音楽)もいろいろ
方針が決まったとしましたが、音楽についての相違するところを実際に体験していただこうと思います。
完成作品の音構成
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編集に使用しているのは Final Cut Pro(Mac用) というソフトです。左図は完成作品の冒頭部分で、上の段に映像が表示されています。そこは、Final Cut Proでは「キャンバス」と呼ぶスペースです。
下の段は「タイムライン」と呼びます。その真ん中の二重線から上が映像のトラックで、左手に「V1」「V2」とあります。VはVideoを表すのでしょう。
二重線の下が音声トラックです。「A1」「A2」…とあり(AudioのAでしょう)、そのうち完成作品ではA4〜A7のトラックに、後から挿入した(後入れの)音楽を配置しています。では具体的に見ていきましょう。
01_現場音のみ
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音声トラックのうちA4以下がグレーになり、無効になっています。(音を出さない設定)
A1とA2はカメラ内蔵のマイクで捉えた音声、現場音です。
各カットごとに場面が異なるのですから、音質も、そして、よく聞くと歌詞も違っていることが分かるかと思います。
02_後入れ音楽のみ
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「後入れ音楽」としましたが、少し複雑です。
A4とA5は囃子方の練習を録音したものですが、「01_現場音のみ」の音(A1とA2)と異なります。こちらは、ステレオマイクをスタンドに据え、ICレコーダーで録音したものです。ファーストカットでカメラで録った音は使用していません。A6とA7は許可を得て使用させていただいたCDの音声です。
音楽絡みの撮影と編集方法
撮影と別立てで録音を
こういうビデオの場合、簡易的には編集の際にCDの音を音源として使用するのが通例かもしれません。でもそれでは練習や本番のリアルさが損なわれてしまうように思われました。そこで、撮影の段階で緑地公園に設置されたスピーカから流れるCDの音(1)を始めから終わりまでステレオマイクとICレコーダーで録音することにしました。
これに踊りの場面で撮影と同時にカメラに録音された音(2)、そしてCDの音そのもの(3)、以上3つの音声を適当にミックスしてできたたのが完成版ということになります。
その他もろもろから次の方針で撮影と編集を行いました。
- 踊りの撮影も途中でのカット(撮影オンオフ)を極力控え、長回しで記録する。
- 編集では、繰り返される音楽のフレーズに対応する形でタイムラインにマーカを打つ。
- 録音したPAの音楽とCD音をベースとするが、現場音を必要に応じて引き立たせる。
- 撮影もだが、特に編集では「新鮮味」を心がけ、「そういうよく見る映像ね」と言われそうな画は避ける。
- 導入部も通り一遍な入り方は避ける。
- 金屋町まちづくり協議会によるプレゼンのテーマが"ものづくり"であるため、弥栄節とともに金屋町で製作を続ける職人さんを登場させる(既存作品からの流用)。
以上の方針で臨みました。
実際にどのように作っていったのかについては講座当日に改めて!